特集 皮膚真菌症の新しい治療戦略
はじめに
西川 武二
pp.3
発行日 2001年12月10日
Published Date 2001/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903775
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皮膚科外来診療において足白癬をはじめとする皮膚真菌症の治療は日常的な問題で,適切な治療を施すことは皮膚科専門医の重大な任務でもあります.例えば足白癬が,患者さんの誤った自己診断や中途半端な治療などにより,なかなか治癒にいたらないような場合,専門医の適切な判断で短期間に治癒に導くことも可能です.最近は新しい経口抗真菌剤も登場し難治とされていた爪真菌症などの完治も可能となりました.一方,未だ外用剤を漫然と使用していたり,経口剤に対して依然として懸念を持っている医師も少なくありません.
経口抗真菌剤イトリゾールは1993年の発売以来,皮膚科および内科領域の真菌症の治療に幅広く使われています.そこで,今回,イトラコナゾールによる表在性皮膚真菌症を中心に皮膚真菌症の臨床研究および国内の症例から,本剤の有用性と適正使用を「視覚」に訴え,読者の先生方にお示ししようという意図の下にまとめられたものが本特別号です.本号を先生方の診療室に置いていただくことによって皮膚科領域の真菌症の日常診療が容易となり,患者さんのQOL向上を目指すことにつながればと願っております.
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