Japanese
English
治療
アテロコラーゲンスポンジを使用した糖尿病性壊疽の治療
Treatment of diabetic gangrene with artificial dermis
松原 きみ子
1
,
磯田 憲一
1
,
西口 健
1
,
山田 詠剛
1
,
水谷 仁
1
,
鈴木 啓之
2
,
田川 新生
2
,
谷奥 卓郎
3
Kimiko MATSUBARA
1
,
Kenichi ISODA
1
,
Takeshi NISHIGUCHI
1
,
Eigo YAMADA
1
,
Hitoshi MIZUTANI
1
,
Hiroyuki SUZUKI
2
,
Shinsei TAGAWA
2
,
Takuro TANIOKU
3
1三重大学医学部皮膚科学講座
2三重県立志摩病院内科
3谷奥医院
1Department of Dermatology, Mie University Faculty of Medicine
2Division of Internal Medicine, Mie Prefectural Shima Hospital
3Tanioku Clinical Office
キーワード:
人工真皮
,
ペルナック
,
アテロコラーゲン
,
糖尿病性壊疽
,
難治性皮膚潰瘍
Keyword:
人工真皮
,
ペルナック
,
アテロコラーゲン
,
糖尿病性壊疽
,
難治性皮膚潰瘍
pp.1063-1065
発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903769
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85歳,女性.2000年1月,右第5趾外側に15×12mmの腱および中節骨に達する潰瘍を形成.足関節上腕動脈血圧比(API)0.94,空腹時血糖221mg/dl, HbA1c 9.1%,尿糖6.82g/日.動脈造影では右膝下動脈以下に閉塞性動脈硬化症(ASO)あり.血糖コントロールとプロスタグランジンE1製剤の静脈内投与にて潰瘍は約6週間で肉芽を形成し,プロスタンディン軟膏®を外用するが,その後8週間潰瘍は縮小せず上皮化もしなかった.アテロコラーゲンスポンジ(ペルナック®)を貼付したところ,潰瘍が収縮を開始し8週間で瘢痕治癒した.1年後の現在,再発をみない.糖尿病患者の皮膚潰瘍では,線維芽細胞のコラーゲン産生やコラゲナーゼ活性が低下しているために創収縮が遅延していると考えた.本法は従来の植皮母床としての肉芽形成の目的ではなく,コラーゲンマトリックス形成による創収縮を図るという新しい使用法と思われた.
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