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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2001
4 皮膚疾患治療のポイント
人工真皮による皮膚再建術—プロスタグランディン製剤の併用
Reconstruction of skin by artificial dermis
袴田 新
1
,
水谷 仁
1
Arata HAKAMADA
1
,
Hitoshi MIZUTANI
1
1三重大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Mie University Faculty of Medicine
キーワード:
人工真皮
,
線維芽細胞
,
プロスタグランディン
Keyword:
人工真皮
,
線維芽細胞
,
プロスタグランディン
pp.149-152
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903567
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人工真皮により,真皮組織の再建が実用化され,これまで筋皮弁や血管柄付遊離皮弁など高度な技術を必要とする病変での簡便な手術療法が可能となり,特別な訓練を受けていない皮膚科医が治療できる疾患対象が大きく拡大した.本法は1)骨,腱などにが混在する深い欠損創,2)下床からの血流が全く期待できない頭蓋骨部の比較的大きな欠損,3)骨膜のない骨の露出部への2期的遊離植皮術による再建を可能としたほか,4)血管・神経の露出する部位の保護,5)手掌,足底,肘等の荷重部位の遊離植皮,6)鼻尖部腫瘍切除後の陥凹の防止等に対しても効果的であるほか,7)恵皮部の醜型を回避できる利点がある.本法の課題は時間で,人工真皮が線維組織に置換される最低2週間,特に荷重部に望ましい厚さの真皮を得るには更なる期間を必要とする.より早期の肉芽形成を得るため筆者らはプロスタグランディン製剤(外用剤,注射,内服)の併用を行い治療期間を短縮している.皮膚科領域の手術における人工真皮の有用性について述べる.
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