Japanese
English
症例報告
著明な貧血を伴ったヒトジラミ症
Severe anemia in phthiriasis
高橋 義雄
1
,
片山 治子
1
,
大家 昌源
2
Yoshio TAKAHASHI
1
,
Haruko KATAYAMA
1
,
Shougen OOYA
2
1岡山済生会総合病院皮膚科
2岡山済生会総合病院内科
1Department of Dermatology, Okayama Saiseikai General Hospital
2Department of Internal Medicine, Okayama Saiseikai General Hospital
キーワード:
ヒトジラミ
,
浮浪者
,
シラミ黒皮症
,
vagabond病
,
貧血
Keyword:
ヒトジラミ
,
浮浪者
,
シラミ黒皮症
,
vagabond病
,
貧血
pp.47-49
発行日 2001年1月1日
Published Date 2001/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903449
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60歳,男性.駅構内で倒れていたところを収容された浮浪者.衣類に無数のシラミ虫体が付着していた.頭部,陰部にも多数の虫体,虫卵を認めた.著明な鉄欠乏性貧血があり,輸血および輸液にて加療した.本症ではいわゆるvaga—bond病,あるいはシラミ黒皮症という,びまん性に拡がる暗褐色の色素沈着や掻破痕を認めた.この色素沈着は吸血時の口器による刺激,分泌する唾液による微小出血,患者の掻破が原因と推測できた.貧血などの内科疾患で入院した浮浪者にみられたという報告が散見されており,浮浪者の間ではかなり蔓延していると考えられる.ヒトジラミ症は今後さらに増加することが予想される.
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