Japanese
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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000
3 新しい検査法と診断法
尿中単純ヘルペスウイルス抗体検査の有用性
Evaluation of antibody detection in urine specimens from patients with herpes simplex virus infection
本田 まりこ
1
,
小松崎 眞
1
,
峰咲 幸哲
1
,
新村 眞人
1
Mariko HONDA
1
,
Makoto KOMATSUZAKI
1
,
Yoshinori MINESAKI
1
,
Michihito NIIMURA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University of School of Medicine
キーワード:
尿中単純ヘルペスウイルス抗体価
,
抗HSV-IgG抗体
,
抗HSV-IgA抗体
,
抗HSV-分泌型IgA
,
ELISA
Keyword:
尿中単純ヘルペスウイルス抗体価
,
抗HSV-IgG抗体
,
抗HSV-IgA抗体
,
抗HSV-分泌型IgA
,
ELISA
pp.71-75
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903208
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尿中の単純ヘルペスウイルス(herpes simplex viruses,以下HSV)抗体価をHSVの型別,免疫グロブリン別に測定した.対象は感染HSVの型が明らかな患者57例(HSV−1 12例,HSV−2 41例,HSV−1+HSV−2 4例)とHSV感染症の既往がない血清抗体価陰性の者12例で,enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)にて尿中の抗体価を測定した.57例中HSV−1初感染者は2例,HSV−2初感染者は1例である.結果は,HSV感染症の既往がなく,しかもHSVの血清抗体価が陰性であるコントロール群では,全例尿中からHSV抗体が検出されなかったが,HSV型特異的抗原に関係なくHSV−1およびHSV−2感染者の全例に尿中の抗HSV-IgG抗体は陽性を示した.抗HSV-IgA抗体は,感染HSV型の抗原を使用した場合,HSV−1感染患者では,全例に,再発型のHSV−2感染患者では40例中35例(87.5%)に陽性を示し,型の異なる抗原ではその陽性率は低下した.HSV−1およびHSV−2の初感染患者では早期に著しい抗HSV-IgA抗体の上昇がみられた.尿中の型特異的IgA抗体が1.000以上で,IgA/IgG比が1.0以上のものは,初感染であると考えてよい.また,検出された尿中の抗HSV-IgA抗体は二量体であった.
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