Japanese
English
症例報告
エクリン汗管由来の上皮性嚢腫に続発した多発性陰嚢石灰沈着症の1例
A case of multiple scrotal calcinosis accompanied with epidermal cyst which is derived from eccrine duct
岩本 真一郎
1
,
小佐野 容子
1
,
山田 裕道
1
,
佐川 文明
2
Shin-ichirou IWAMOTO
1
,
Yoko OSANO
1
,
Hiromichi YAMADA
1
,
Fumiaki SAGAWA
2
1国際親善総合病院皮膚科
2国際親善総合病院病理
1Department of Dermatology, International Goodwill Hospital
2Department of Pathology, International Goodwill Hospital
キーワード:
多発性陰嚢石灰沈着症
,
エクリン汗管由来上皮性嚢腫
,
CEA染色陽性
Keyword:
多発性陰嚢石灰沈着症
,
エクリン汗管由来上皮性嚢腫
,
CEA染色陽性
pp.263-265
発行日 2000年3月1日
Published Date 2000/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903163
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32歳,男性の多発性陰嚢石灰沈着症の1例を報告した.20年前に発症した陰嚢右側の列序性に存在する十数個の小結節.3方向の分割手術にて全切除した.病理組織像は3切片ともほぼ共通で,1)大型の嚢腫様構造(その内容物はヘマトキシリンに淡染する無構造物質で,Kossa染色陽性),2)中型〜小型の肉芽腫様構造(ヘマトキシリンに染まる顆粒状ないし結晶状の塊状物を多数の異物型巨細胞が取り囲んでいる),3)中型〜小型の上皮性嚢腫様構造(嚢腫内容はケラチン様物質であるが,CEA染色陽性,嚢腫周囲にはCEA染色陽性の小型〜微細管腔構造の集簇を認める)の3つの形態を認めた.自験例はエクリン汗管に由来する上皮性嚢腫に続発した陰嚢石灰沈着症である可能性が考えられた.
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