Japanese
English
症例報告
Alagille症候群による腎不全に伴ってみられた転移性皮膚石灰沈着症の1例
A case of metastatic calcinosis cutis in a renal failure patient with Alagille syndrome
小川 晃史
1
,
赤坂 俊英
2
,
波治 武美
3
Akifumi OGAWA
1
,
Toshihide AKASAKA
2
,
Takemi NAMIJI
3
1恵み野病院皮膚科
2岩手医科大学皮膚科学教室
3恵庭公園通クリニック
1Division of Dermatology, Megumino Hospital
2Department of Dermatology, Iwate Medical University
3Division of Urology, Eniwakoendori Clinic
キーワード:
転移性皮膚石灰沈着症
,
血液透析
,
Alagille症候群
Keyword:
転移性皮膚石灰沈着症
,
血液透析
,
Alagille症候群
pp.828-830
発行日 1999年9月1日
Published Date 1999/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903005
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28歳,男性のAlagille症候群に伴った慢性腎不全患者に発症した転移性皮膚石灰沈着症の1例を報告した.血液透析治療中,全身の皮膚に乳褐色から淡紅褐色の結節が多発した.病理組織学的に,von Kossa染色で穎粒状から塊状の黒色無構造沈着物とその経表皮排出を認めた.本症候群は慢性胆汁うっ滞,特徴的顔貌,眼科的異常,椎骨異常,末梢肺動脈狭窄を主体とする先天性心疾患の5主徴を高率に有し,その他腎障害,発育障害,精神発達遅延,二次性徴の遅延などを認める.皮膚症状としては黄疸,色素沈着,瘙痒,黄色腫がみられる.本症候群と皮膚石灰沈着との関係は不明であるが,長期血液透析では皮膚石灰沈着を合併しやすい可能性は否定できず,慎重な透析管理が望まれる.
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