Japanese
English
症例報告
下顎部有棘細胞癌に伴ったBazex症候群の1例
A case of Bazex syndrome associated with submundibular squamous cell carcinoma
板井 恒二
1
,
鳴海 博美
1
,
村井 孝弥
1
,
馬場 貴子
1
,
野村 和夫
1
,
橋本 功
1
,
木村 博人
2
Koji ITAI
1
,
Hiromi NARUMI
1
,
Takaya MURAI
1
,
Takako BABA
1
,
Kazuo NOMURA
1
,
Isao HASHIMOTO
1
,
Hiroto KIMURA
2
1弘前大学医学部皮膚科教室
2弘前大学医学部歯科口腔外科教室
1Department of Dermatology, Hirosaki University School of Medicine
2Department of Dentistry and Oral Surgery, Hirosaki University School of Medicine
キーワード:
Bazex症候群
,
有棘細胞癌
Keyword:
Bazex症候群
,
有棘細胞癌
pp.662-664
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902962
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
37歳,男性.約2年前より左外眼角部に皮疹が出現し,徐々に手足,前胸部に拡大した.初診時,顔面,頸部には鱗屑を伴う紫紅色斑を,手指,足趾には乾癬様の角化性紅斑をみた.既往歴として下口唇有棘細胞癌(SCC)の手術歴があったため,Bazex症候群を疑い精査した.頸部皮疹の組織学的検索で過角化,表皮肥厚と基底層の液状変性,真皮上層の帯状細胞浸潤を認めた.頭頸部のCT,MRIにて右下顎骨の破壊像とその外側に腫瘤が認められ,同部の生検にて高分化型のSCCと判明した.当院歯科口腔外科にて腫瘍摘出後,比較的速やかに皮疹の軽快をみた.Bazex症候群は,上部の気道,消化管系原発SCCに併発する角化性皮疹として報告された.本邦ではこれまでに12例の報告があるが,併発した悪性腫瘍の種類と部位がBazexの原著に合致するものは少なく,自験例はほぼ定型的と思われた.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.