Japanese
English
原著
当科で経験した麻疹15例の検討
Study of our fifteen cases of measles
手塚 匡哉
1
,
丸山 友裕
1
,
三間 聡
2
Masaya TEZUKA
1
,
Tomohiro MARUYAMA
1
,
Satoshi MITSUMA
2
1済生会新潟第二病院皮膚科
2済生会新潟第二病院呼吸器内科
1Division of Dermatology, Saiseikai Niigata 2nd Hospital
2Division of Respiratory Medicine, Saiseikai Niigata 2nd Hospital
キーワード:
麻疹
,
ウイルス抗体価
,
ペア血清
,
予防接種
,
vaccine failure
Keyword:
麻疹
,
ウイルス抗体価
,
ペア血清
,
予防接種
,
vaccine failure
pp.393-398
発行日 1999年5月1日
Published Date 1999/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902894
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1997年12月より1998年4月までの5か月間に成人麻疹15例を経験し,そのうち2例に麻疹肺炎を合併した.症例6:22歳女性,胸部X線撮影にて線状から網状,小粒状陰影が出現.症例11:27歳女性,胸部X線撮影上の同様の異常陰影に加え,血液ガス分析にてPaO2の低下を認め,ステロイドの全身投与にて改善.2例とも胸部CT撮影にて麻疹による間質性肺炎と診断された.本邦における成人麻疹肺炎の報告は,これまでに10数例と少なくまれとされていた.しかし,実際の肺炎合併率は年齢により異なり,本邦でも胸部X線上3〜50%に異常がみられたとの報告がある.成人麻疹例では常に麻疹肺炎の合併を念頭に置き,胸部X線撮影を励行することが肝要である.また診断に際しては,vaccine fail—ureによる抗体価の変動が存在するため,予防接種歴の有無とペア血清による抗体価の有意な上昇を確認する必要がある.
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