Japanese
English
症例報告
一部毛孔腫様組織像を呈したエクリン汗孔腫の1例
A Case of Eccrine Poroma with a Poroma Folliculare-like Histology
川口 博史
1
,
森口 暢子
1
,
中嶋 弘
1
Hiroshi KAWAGUCHI
1
,
Nobuko MORIGUCHI
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University, School of Medicine
キーワード:
エクリン汗孔腫
,
毛孔腫
,
S−100蛋白陽性細胞
Keyword:
エクリン汗孔腫
,
毛孔腫
,
S−100蛋白陽性細胞
pp.1013-1015
発行日 1993年10月1日
Published Date 1993/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901033
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59歳,男性の足趾に生じたエクリン汗孔腫を報告した.数年前よりみられた色素斑が徐々に増大し,角化傾向の強い黒褐色の腫瘤となっていた.臨床的には悪性黒色腫なども考えられたが,組織学的には,エクリン汗孔腫であった.腫瘍細胞塊の中に一部毛孔様の組織がみられ,エクリン汗孔腫の一部に毛孔腫様組織を呈したものと考えられた.また,腫瘍細胞に混じて,S−100蛋白陽性のランゲルハンス細胞と思われる細胞が多数認められ,特に毛孔腫様組織周囲において著しかった.エクリン汗管由来のエクリン汗孔腫と,毛孔腫様組織が同一の腫瘍内に認められたことは稀なことと思われた.また,本腫瘍内にS−100蛋白陽性ランゲルハンス細胞が認められた報告も今まであまりなく,比較的稀な所見と考えられた.
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