Japanese
English
症例報告
神経線維腫様の腫瘤を認めた神経皮膚黒色症
Neurofibroma-like tumors arising in neurocutaneous melanosis
豊原 淳子
1
,
陳 科栄
1
,
宮川 俊一
1
,
藤森 雅博
2
,
稲田 めぐみ
3
,
石河 晃
3
,
平山 佳代子
4
,
諸岡 啓一
4
,
有本 潔
4
Atsuko TOYOHARA
1
,
Kon-Ron CHEN
1
,
Shun-ichi MIYAKAWA
1
,
Masahiro FUJIMORI
2
,
Megumi INADA
3
,
Akira ISHIKO
3
,
Kayoko HIRAYAMA
4
,
Keiichi MOROOKA
4
,
Kiyoshi ARIMOTO
4
1川崎市立川崎病院皮膚科
2川崎市立川崎病院小児科
3日本鋼管病院皮膚科
4東邦大学医学部第一小児科学教室
1Division of Dermatology, Kawasaki City Hospital
2Division of Pediatrics, Kawasaki City Hospital
3Division of Dermatology, Nippon Kokan Hospital
4Division of Pediatrics, Toho University School of Medicine
キーワード:
神経皮膚黒色症
,
神経線維腫
Keyword:
神経皮膚黒色症
,
神経線維腫
pp.865-869
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902325
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神経皮膚黒色症は母斑細胞の先天的発生異常で母斑細胞の増殖が皮膚と中枢神経系に同時にみられるものをいう.皮膚症状としては巨大もしくは多発性の色素性母斑を生じるが,組織学的に神経線維腫様の構造を認めることがあり神経線維腫と鑑別を要することがある.今回我々は巨大色素性母斑に神経線維腫様の腫瘤を認めた1例を報告する.症例は生後3日男児.出生時より全身に色素性母斑を認め,けいれんを頻発,MRI上小脳にメラニンの沈着が示唆された.背部の巨大色素性母斑上にHE染色所見で神経線維腫様の構造を呈する腫瘍を2つ認めた.腫瘍細胞はS−100蛋白やEMA染色陰性で,電顕上Schwann細胞やperineurial cellはなく神経線維腫とは異なる.発生学的にneural crest由来の細胞が母斑細胞に分化し色素性母斑を形成,一部がSchwann細胞様に分化し腫瘤を形成したと考え,神経線維腫の合併ではないと結論した.
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