Japanese
English
症例報告
ステロイドとDDSの併用が腎炎に効果的であったアナフィラクトイド紫斑の1例
A case of anaphylactoid purpura : A combined therapy of steroid and DDS was effective for the nephritis
新山 史朗
1
,
石塚 敦子
1
,
種井 良二
1
,
石館 武夫
2
,
島田 肇
3
Shiro NIIYAMA
1
,
Atsuko ISHIZUKA
1
,
Ryoji TANEI
1
,
Takeo ISHIDATE
2
,
Hajime SHIMADA
3
1北里研究所メディカルセンター病院皮膚科
2北里研究所メディカルセンター病院小児科
3北里研究所メディカルセンター病院内科
1Department of Dermatology, The Kitasato Institute Medical Center Hospital
2Department of Pediatrics, The Kitasato Institute Medical Center Hospital
3Department of Internal Medicine, The Kitasato Institute Medical Center Hospital
キーワード:
アナフィラクトイド紫斑
,
紫斑病性腎炎
,
DDS
Keyword:
アナフィラクトイド紫斑
,
紫斑病性腎炎
,
DDS
pp.513-515
発行日 1997年6月1日
Published Date 1997/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902237
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症例は46歳,男.1995年上旬より四肢に米粒大までの紫斑が出現.消化器症状,関節症状はなかったが,1日1gを越える蛋白尿と肉眼的血尿を認めた.組織学的に皮膚では真皮上層の細小血管に壊死性血管炎の像を,腎ではメサンギウム増殖性糸球体腎炎の像を呈し,螢光抗体法にていずれもIgAの沈着が確認された.紫斑病性腎炎を伴うアナフィラクトイド紫斑と診断し,安静と止血剤で治療したところ紫斑は消褪したものの,腎症状は増悪してきた.このためパルス療法(メチルプレドニゾロン1000mg3日間静注)を施行,その後プレドニゾロン40mg,抗血小板剤内服とし,3週間経過観察したが尿蛋白は3gを越えるようになった.そこでDDS 75mgを追加したところ,2週間後には尿蛋白は1g以下となり腎症状の改善を認めた.紫斑病性腎炎にステロイド剤の有効性は評価の分かれるところであるが,皮膚科領域で頻用されるDDSは腎炎にも有効との印象を得た.
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