Japanese
English
症例報告
ステロイドパルス療法が有効であった成人のアナフィラクトイド紫斑の1例
A case of anaphvlactoid purpura treated with steroid pulse therapy
大井 知教
1,3
,
高橋 和宏
1
,
遊佐 明
2
Tomonori OHI
1,3
,
Kazuhiro TAKAHASHI
1
,
Akira YUSA
2
1いわき市立総合磐城共立病院皮膚科
2いわき市立総合磐城共立病院内科
3東北大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Iwaki Kyoritsu General Hospital
2Division of Internal Medicine, Iwaki Kyoritsu General Hospital
キーワード:
アナフィラクトイド紫斑
,
糸球体腎炎
,
ステロイドパルス療法
Keyword:
アナフィラクトイド紫斑
,
糸球体腎炎
,
ステロイドパルス療法
pp.710-713
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902626
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症例は37歳の男性.下肢の紫斑と熱発,足関節痛を主訴に受診した.紫斑部位の皮膚生検では真皮浅層を中心に核残渣を伴う好中球の浸潤と赤血球の漏出を認め,leukocvtoclastic vasculitisの像であった.アナフィラクトイド紫斑と診断してプレドニン®内服を中心とした治療を行い紫斑はすみやかに軽快したが,経過中,蛋白尿,腎機能障害が出現しプレドニン®の量を増量したが改善しなかった.腎生検にてメサンギウム増殖性糸球体腎炎の診断を得,ステロイドパルス療法(パルス療法)を施行し,腎症状も改善した.アナフィラクトイド紫斑の治療の際,各種の治療法が選択されるが,腎症状を伴い重症化が予想される場合,パルス療法は有効な方法であると考えた.
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