Japanese
English
症例報告
バザン硬結性紅斑を伴った壊疽性丘疹状結核疹の1例
A case of papulonecrotic tuberculide with erythema induratum Bazin
北島 進司
1
,
小芦 雄介
1
,
辻 卓夫
1
Shinji KITAJIMA
1
,
Yusuke KOASHI
1
,
Takuo TSUJI
1
1名古屋市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nagoya City University School of Medicine
キーワード:
壊疽性丘疹状結核疹
,
バザン硬結性紅斑
Keyword:
壊疽性丘疹状結核疹
,
バザン硬結性紅斑
pp.695-698
発行日 1995年8月1日
Published Date 1995/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901615
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体幹・上下肢に痂皮を伴う丘疹を認め,両下腿・左大腿に硬結を伴う紅斑を,左乳房と右側腰部に皮下結節を生じた48歳女性例を報告した.組織では,丘疹は表皮から真皮上層にかけての楔状の壊死と真皮上層から中層の類上皮細胞肉芽腫で,硬結を伴う紅斑は真皮下層から脂肪織の類上皮細胞性肉芽腫と小葉性脂肪織炎で,壊死と血管炎を伴う.皮下結節も小葉性脂肪織炎が主体で類上皮細胞の浸潤と細小血管の血管炎を伴う.丘疹は壊疽性丘疹状結核疹,硬結を伴う紅斑と皮下結節とをバザン硬結性紅斑と診断した.ツ反は強陽性で,皮疹からの結核菌培養は陰性であった.表在リンパ節の腫脹はなく,肺結核等の結核病巣は認められなかった.抗結核剤(イソニアジドとリファンピシン)の内服3ヵ月で皮疹は色素沈着となり治癒した.下腿以外の部位のバザン硬結性紅斑は稀と思われる.
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