Japanese
English
症例報告
Tethered cord syndromeによる足穿孔症の1例
A case of malum perforans pedis associated with tethered cord syndrome
峰咲 幸哲
1
,
中島 奈保子
1
,
上出 良一
1
,
新村 眞人
1
,
谷 諭
2
Yoshinori MINESAKI
1
,
Nahoko NAKAJIMA
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
,
Michihito NIIMURA
1
,
Satoshi TANI
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
2東京慈恵会医科大学脳神経外科学教室
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
2Department of Neurosurgery, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
tethered cord syndrome
,
脊髄係留症候群
,
足穿孔症
,
潜在性二分脊椎
,
脂肪腫
Keyword:
tethered cord syndrome
,
脊髄係留症候群
,
足穿孔症
,
潜在性二分脊椎
,
脂肪腫
pp.603-606
発行日 1995年7月1日
Published Date 1995/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901591
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難治性足底潰瘍を主訴に皮膚科を初診したtethered cord syndrome(脊髄係留症候群)の25歳,男性例を報告した.軽度の排尿困難,右L5〜S2領域の筋力低下と触覚,温痛覚の低下を認め,右アキレス腱反射は消失していた.MRIにて潜在性二分脊椎と腰仙部脂肪腫に伴う低位脊髄円錐を認めた.本症は成長期に発症することが多く,足部潰瘍の頻度は4〜13%であるが,膀胱機能障害や下肢運動知覚障害を主訴に泌尿器科や整形外科,脳神経外科を受診する例がほとんどで,皮膚科を初診することは極めて稀である.潰瘍の原因としては下肢の知覚障害や血管運動神経の機能異常などが挙げられ,右下肢のみに症状が出現したのは,脂肪腫が脊髄を右側から直接圧迫したためと考えられた.脂肪腫の可及的摘出および係留解離術により潰瘍は上皮化したが,退院後より水疱形成がみられている.本症は足部潰瘍の原因疾患の一つとして常に念頭におく必要があると考えた.
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