Japanese
English
症例報告
肝細胞癌に合併した非遺伝性血管浮腫の1例
A case of non-hereditary angioneurotic edema with hepatocellular carcinoma
清水 隆弘
1
,
武藤 正彦
1
,
古元 礼子
1
,
麻上 千鳥
1
Takahiro SHIMIZU
1
,
Masahiko MUTO
1
,
Hiroko FURUMOTO
1
,
Chidori ASAGAMI
1
1山口大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yamaguchi University School of Medicine
キーワード:
非遺伝性血管浮腫
,
肝細胞癌
,
粘膜型肥満細胞
,
ヒスタミン
Keyword:
非遺伝性血管浮腫
,
肝細胞癌
,
粘膜型肥満細胞
,
ヒスタミン
pp.529-531
発行日 1995年6月1日
Published Date 1995/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901573
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肝細胞癌経過中に発症した非遺伝性血管浮腫の1例を報告した.症例は61歳,男性.3年前肝細胞癌にて肝部分切除術施行,2度の肝細胞癌再発があったが,いずれも化学療法施行され寛解中であった.4ヵ月前より発作性の嚥下困難,呼吸困難,口唇・顔面などの腫脹を繰り返していた.初診時,顔面,口腔粘膜,咽頭の高度腫脹あり.病理組織学的に粘膜固有層,粘膜下層の浮腫と肥満細胞の血管周囲性浸潤がみられた.CI inhibitor活性正常域,発作時の血中ヒスタミン値は上昇していた.AFP値の上昇に伴い,発作間隔の短縮がみられた.浮腫はプレドニゾロン5mg/日投与で抑制できた.腹部CTで肝に多発性に腫瘤を認め,肝細胞癌の再発と診断された.肝細胞癌治療後,浮腫の出現をみていない.
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