Japanese
English
症例報告
びまん浸潤型のサルコイドーシスに骨病変の合併が疑われた1例
A case of diffusely invasive sarcoidosis with suspected bone lesions
松林 俊佑
1
,
宇賀神 つかさ
1
,
飯田 忠恒
1
,
竹下 八菜
1
,
白井 剛
2
,
具 芳明
3
,
並木 剛
1
Shunsuke MATSUBAYASHI
1
,
Tsukasa UGAJIN
1
,
Tadatsune IIDA
1
,
Hana TAKESHITA
1
,
Tsuyoshi SHIRAI
2
,
Yoshiaki GU
3
,
Takeshi NAMIKI
1
1東京医科歯科大学病院皮膚科
2東京医科歯科大学病院呼吸器内科
3東京医科歯科大学病院統合臨床感染症学分野
1Department of Dermatology, Tokyo Medical and Dental University Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Pulmonology, Tokyo Medical and Dental University Hospital, Tokyo, Japan
3Department of Integrative Clinical Infectious Diseases, Tokyo Medical and Dental University Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
皮膚サルコイドーシス
,
骨サルコイドーシス
Keyword:
皮膚サルコイドーシス
,
骨サルコイドーシス
pp.616-622
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207057
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要約 35歳,女性.初診1年2か月前より右第4指に腫脹が出現し,その後増悪した.初診時右第4指に全周性の腫脹があり,単純X線で中節骨の萎縮,囊腫状の骨梁を認めた.皮膚生検,経気管支肺生検で,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた.右手MRIで右第4指中節骨,第1指中手骨,第5指基節骨にT2高信号や造影増強効果を認め,骨シンチグラフィーでも集積がみられた.以上から皮膚,肺のサルコイドーシスに骨病変の合併が疑われた.プレドニゾロン内服し右第4指の腫脹は改善したが,骨破壊性変化は残存した.びまん浸潤型の皮膚サルコイドーシスは手足の基節骨と中節骨に多く,骨病変を合併しやすいため握手徴候の確認や画像精査を行うことが重要である.骨病変は皮膚症状を伴わず不顕性に認められる可能性もあり,骨シンチグラフィーにより全身の評価を行うことが推奨される.今後骨病変におけるステロイド治療の適応に関しては症例の蓄積と更なる検討を待ちたい.
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