Japanese
English
原著
アナフィラクトイド紫斑と皮膚アレルギー性血管炎(Ruiter)の再検討
Reassessment of anaphylactoid purpura versus vasculitis allergica cutis (Ruiter)
松浦 和子
1
,
西本 正賢
1
,
高岩 堯
1
Kazuko MATSUURA
1
,
Masayoshi NISHIMOTO
1
,
Takashi TAKAIWA
1
1香川医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kagawa Medical School
キーワード:
アナフィラクトイド紫斑
,
皮膚アレルギー性血管炎
Keyword:
アナフィラクトイド紫斑
,
皮膚アレルギー性血管炎
pp.559-562
発行日 1994年6月1日
Published Date 1994/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901242
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アナフィラクトイド紫斑(AP)と皮膚アレルギー性血管炎(Ruiter)を組織所見にて鑑別し,過去10年間に当科入院となったAP15例,Ruiter8例について,発症誘因,臨床症状(皮疹の分布と経過),全身症状合併と重症度,血液および尿検査所見を比較し,腎の予後との関連性を再検討した.APの発症に季節的変動が認められたが,咽頭培養においてβ—連鎖球菌は検出されなかった.尿異常が遷延したのはAP3例,Ruiter2例で,Ruiterのうち1例が紫斑病性腎炎にて急性腎不全の転帰をとった.皮疹の分布が広範囲で,消褪までに1カ月以上要する場合や血清IgAが高値を呈する場合は,両者を問わず異常尿所見を伴う傾向にある.検討した各項目で両者間にほとんど差がみられず,発症メカニズムの違いが不明の現在,両者をあえて区別する必要はないと考えた.
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