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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994
II 皮膚疾患の病態
ヒト乳頭腫ウイルスと発癌
Human papillomavirus and cancer
本田 まりこ
1
,
新村 眞人
1
Mariko HONDA
1
,
Michihito NIIMURA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
1The Tokyo Jikei University School of Medicine
キーワード:
ヒト乳頭腫ウイルス
,
癌
,
p53
,
Rb
,
PCNA
Keyword:
ヒト乳頭腫ウイルス
,
癌
,
p53
,
Rb
,
PCNA
pp.79-84
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901198
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ヒト乳頭腫ウイルス(human papilloma—virus,以下HPVと略す)は現在少なくとも75型に分類されているが,そのうちの約1/3は皮膚や粘膜の悪性腫瘍から検出されている.HPVの発癌機構はおもに子宮頸癌の原因ウイルスとされているHPV−16について精力的に研究されており,特にトランスフォーム活性のある初期遺伝子E6,E7が癌抑制遺伝子(p53,Rb)の作用を抑制することが明らかになっている.一方疣贅状表皮発育異常症に発生する皮膚癌もHPVが重要な役割を果たしていると考えられているが,その機作については明らかにされていない.我々のデータでは増殖細胞核抗原PCNAが皮膚癌だけでなく良性皮疹においても異常発現がみられ,p53よりもPCNAの異常発現が本症における癌化への重要な鍵を担っていると考えた.
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