Japanese
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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994
II 皮膚疾患の病態
光アレルギー性接触皮膚炎における不応答
Unresponsiveness in photoallergic contact dermatitis
戸倉 新樹
1
Yoshiki TOKURA
1
1浜松医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
光アレルギー性接触皮膚炎
,
光接触アレルギー
,
MHC
,
メラニン
,
テトラクロロサリチルアニリド
Keyword:
光アレルギー性接触皮膚炎
,
光接触アレルギー
,
MHC
,
メラニン
,
テトラクロロサリチルアニリド
pp.63-67
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901195
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光アレルギー性接触皮膚炎は光感作物質の塗布と紫外線の照射によって起こる遅延型過敏症の一つである.テトラクロロサリチルアニリド(TCSA)に対する同過敏症のマウスモデルにおいて,1)マウスの主要組織適合抗原複合体であるH−2がkハプロタイプの場合,2)毛色が黒または濃い色である場合,3)感作が中波長紫外線(UVB)を予め照射した皮膚で行われた場合,過敏症反応は起こらない.これらの不応答性のメカニズムはそれぞれ,1)H−2kマウスでは抗原提示細胞土のIEkが抗原特異的CD4陽性サプレッサーT細胞(Ts)を誘導しやすいため,2)表皮内メラニンが過敏症成立の最初のステップであるUVAによるTCSA—表皮細胞結合体形成を抑制するため,3)UVB前照射皮膚を経た感作ではたとえ高応答マウスでも抗原特異的CD4陽性Tsを誘導するため,である.1),3)のTsはTh2であることが示されつつあり,Th1に対してTh2が優位な状態になることによって抑制が起こると考えられる.以上からヒトのアレルギー性光接触性皮膚炎においてもHLAのハプロタイプ,表皮内メラニン量によって不応答を示すことがあると推察される.
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