Japanese
English
症例報告
頭部と顔面に難治性潰瘍のみられた母子家庭における児童虐待
A Case of Child Abuse in a Fatherless Family
外山 馨
1
,
飯沢 理
1
,
関口 博久
2
Kaoru TOYAMA
1
,
Osamu IIZAWA
1
,
Hirohisa SEKIGUCHI
2
1東北大学医学部皮膚科教室
2仙台市児童相談所
1Department of Dermatology, Tohoku University, School of Medicine
2Child Guidance Center of Sendai City
キーワード:
児童虐待
Keyword:
児童虐待
pp.1025-1028
発行日 1993年10月1日
Published Date 1993/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901036
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ある母子家庭(22歳の母親がシンナー中毒の父親と離婚している)で発生した児童虐待の1例を報告する.症例は10カ月の男児.生後2カ月頃より皮疹がみられたという.初診時,体重は7.5kg,軽度の発育障害があり,筋緊張の低下を認めた.皮疹は頭部に限局し,鼻尖部の欠損と鼻腔粘膜の糜爛・潰瘍,被髪頭部・前額部・左耳介に散在する皮膚潰瘍があった.末梢血および生化学検査では異常を認めず,血清梅毒定性検査も陰性だった.入院して保存的に治療したところ,一進一退ながら快方に向かった.母親の親族からの話および入院中の経過より児童虐待と診断した.児童虐待について若干の文献的考察を加えた.
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