Japanese
English
症例報告
イコサペント酸エチルが奏効したHypodermitis Sclerodermiformisの1例
A Case of Hypodermitis Sclerodermiformis Successfully Treated with Ethyl Icosapentate
青木 幹泰
1,2
,
斉藤 範夫
1
,
細谷 順
1
,
西山 千秋
1
Motoyasu AOKI
1,2
,
Norio SAITO
1
,
Jun HOSOYA
1
,
Chiaki NISHIYAMA
1
1日本大学医学部皮膚科学教室
2駿河台日本大学病院皮膚科
1Department of Dennatology, Nihon University School of Medicine
キーワード:
hypodermitis sclerodermiformis
,
強皮症様皮下組織炎
,
ethyl icosapentate
,
イコサペント酸エチル
Keyword:
hypodermitis sclerodermiformis
,
強皮症様皮下組織炎
,
ethyl icosapentate
,
イコサペント酸エチル
pp.917-920
発行日 1993年9月1日
Published Date 1993/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901012
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イコサペント酸エチルの内服が奏効したhypodermitis sclerodermiformisの経験例を報告した.患者は63歳,女性.左下腿内側の静脈瘤に接して,有痛性の灼熱感を伴う木様硬に触れる境界明確な紅褐色局面があり,辺縁は鮮紅色を呈した.病理組織学的には,真皮中層から皮下脂肪織にかけて,肥厚した膠原線維束が皮面と平行に走行してみられるが,炎症所見は軽微で,皮膚付属器は正常に保たれていた.消炎鎮痛剤の内服と超音波療法にて約5カ月間治療を行ったが,疼痛は軽減するものの,紅斑性病変は左下腿全体に拡大した.そこで,イコサペント酸エチルの投与を試みたところ,内服開始2週間後より病変は縮小し始め,約1年後には多少の皮下硬結と色素沈着を残すまでに軽快している.本症にイコサペント酸エチルの内服が奏効した症例にいまだ接しないので,若干の考察を加えて報告した.
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