増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用
代謝・栄養障害薬
イコサペント酸エチル(エパデール)
寺野 隆
1
,
齋藤 康
2
1千葉市立病院内科
2千葉大学大学院医学研究院細胞治療学/第2内科
pp.208-210
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909011
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イコサペント酸エチル(エパデール®)は二重結合を5つもつn−3多価不飽和脂肪酸であるイコサペント酸(eicosapentaenoic acid:EPA)のエチルエステル体である.構造式を図1に示す.
本剤はイワシの脂から高純度に精製した脂肪酸で,魚脂中に多く含まれ,安全性は高いと考えられる.イコサペント酸エチルを服用すると,EPAとして各種細胞の細胞膜の主にリン脂質に取り込まれる.細胞膜がEPAに富むと,細胞膜の流動性が増し,血小板は凝集しにくくなり,血液粘度が下がり,赤血球は変形しやすくなるなど1),体が抗血栓に傾く.
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