Japanese
English
症例報告
尿崩症を合併したNon-Langerhans Cell Histiocytosisの1例
A Case of Non-Langerhans Cell Histiocytosis with Diabetes Insipidus
野村 中夫
1
,
竹内 常道
1
,
本田 まりこ
1
Nakao NOMURA
1
,
Tsunemichi TAKEUCHI
1
,
Mariko HONDA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
non-Langerhans cell histiocytosis
,
尿崩症
,
分類
Keyword:
non-Langerhans cell histiocytosis
,
尿崩症
,
分類
pp.797-800
発行日 1993年8月1日
Published Date 1993/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900984
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38歳,女性.顔面,頸部に融合傾向のない半米粒大の黄褐色斑ないし丘疹が無数に散在したnon-Langerhans cell histiocytosisの1例を報告した.口腔内病変,関節痛はなかった.組織学的には,真皮内における組織球のびまん性浸潤であり,古い病変部では多数の泡沫細胞とツートン型巨細胞,一部にリンパ球と好酸球の浸潤,赤血球の血管外漏出を認めた.免疫組織化学では,S−100(−),CD1(−),lysozyme(+),電顕においてLangerhans顆粒はみられなかった.発症後1年4カ月して不全型の中枢性尿崩症が出現した.現在,尿崩症の進行はなく,皮疹に若干の消退傾向がみられている.臨床上,benign cephalic histiocytosisに似るが,組織学的に異なり,既存の疾患名に当てはまらない症例と考えた.また,従来のhistiocytosis Xあるいはnon-X histiocytosisに分類する方法は混乱を招くため,今後は,The histiocyte soci—etyによる分類を用いるべきものと考えた.
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