Japanese
English
症例報告
中心静脈栄養施行中のクローン病患者に生じた亜鉛欠乏症候群
Zinc Deficiency Syndrome in a Patient with Crohn Disease during Intravenous Hyperalimentation
佐伯 圭介
1
,
西本 正賢
1
,
山本 信二
1
,
沼原 利彦
1
,
佐々木 和江
1
,
高岩 堯
1
Keisuke SAEKI
1
,
Masayoshi NISHIMOTO
1
,
Shinji YAMAMOTO
1
,
Toshihiko NUMAHARA
1
,
Kazue SASAKI
1
,
Takashi TAKAIWA
1
1香川医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kagawa Medical School
キーワード:
クローン病
,
中心静脈栄養
,
亜鉛欠乏症
,
腸性肢端皮膚炎
,
硫酸亜鉛
Keyword:
クローン病
,
中心静脈栄養
,
亜鉛欠乏症
,
腸性肢端皮膚炎
,
硫酸亜鉛
pp.675-677
発行日 1993年7月1日
Published Date 1993/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900956
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クローン病にて絶食,中心静脈栄養(IVH)を開始したところ,亜鉛含有輸液剤を使用していたにもかかわらず,約1カ月後に亜鉛欠乏症の皮疹を生じた30歳の女性例を報告した.本症例はIVH刺入部周辺に瘙痒を伴う皮疹が出現し,やがて顔面,間擦部を経て徐々に全身に拡大した.肘窩,仙骨部,臀部,恥丘部には,中央部がびらん化した小豆大までの紅色の結節がみられた。硫酸亜鉛300mg/日の経口投与1週間ほどで劇的な皮疹の改善をみた.IVHを施行するにあたり本症を予防するためには,基礎疾患を考慮したうえで亜鉛投与量を増量する必要があると思われる.
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