Japanese
English
症例報告
離職10年後になお残存する職業性グラスファイバー皮膚炎の1症例
A Case of Fiber-Glass Dermatitis Persisted for Ten Years after Resignation from the Work
島井 信子
1
,
中山 秀夫
1
Nobuko SHIMAI
1
,
Hideo NAKAYAMA
1
1東京都済生会中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Saiseikai Central Hospital
キーワード:
職業性皮膚炎
,
グラスファイバー
Keyword:
職業性皮膚炎
,
グラスファイバー
pp.671-674
発行日 1993年7月1日
Published Date 1993/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900955
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“突き刺さり型”のグラスファイバー皮膚炎は,ガラス繊維の改良によりほとんど見られなくなったが,最近その後遺症の1症例を経験したので報告する.症例は60歳女性,足の有痛性皮疹を主訴として受診した.患者は約10年前7カ月間グラスファイバーを扱う仕事に従事したが,ファイバーが皮膚に刺さって痒いため仕事を辞めた.以後10年間,足底の疼痛,紅斑を度々生じた.血液検査上異常はなく,痛風,RAは否定でき,足底よりの白癬菌検査は(−)であった.左母趾,左第II趾より,生検を施行し組織所見を検討したところ,真皮上層に,グラスファイバーと思われる透明均一棒状異物を認めた.また,削った足底の角層からもガラス繊維と思われる物質を見いだした.この疾患は,作業を止めると皮膚炎も改善するのが普通であり,自験例のような例は珍しいので報告した.
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