Japanese
English
原著
骨接合用金属によるニッケル皮膚炎患者末梢血単核球のサイトカイン産生
Cytokine Production of Peripheral Blood Mononuclear Cells from a Patient with Nickel Contact Dermatitis due to Orthopedic Metal Implant
古賀 哲也
1
,
今山 修平
1
,
堀 嘉昭
1
Tetsuya KOGA
1
,
Shuhei IMAYAMA
1
,
Yoshiaki HORI
1
1九州大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Kyushu University
キーワード:
骨接合用金属
,
ニッケル皮膚炎
,
サイトカイン
Keyword:
骨接合用金属
,
ニッケル皮膚炎
,
サイトカイン
pp.439-442
発行日 1993年5月1日
Published Date 1993/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900905
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65歳男性の骨接合用金属包埋1カ月後に,術創部に発症した慢性接触性皮膚炎を経験し,以下の検討を行った.金属プレート材料内に含まれるニッケルのパッチテストによって強陽性反応を認め,同時に大腿部病変のflare up現象が認められた.組織学的に一部表皮内のリンパ球浸潤と表皮肥厚,真皮上層に主として血管周囲性の好酸球と形質細胞を混在するリンパ球浸潤がみられた.ニッケルによるリンパ球幼若化試験は陽性であった.また患者末梢血単核球をニッケルの存在下で72時間培養した培養上清には,IFN—γとIL−2活性が認められた.以上より本症例においては皮疹の発現に,ニッケル特異的T細胞から産出されたサイトカインが関与している可能性が示唆された.
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