Japanese
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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991
II 皮膚疾患の病態
乾癬とサイトカイン
Psoriasis and cytokines
竹松 英明
1
Hideaki TAKEMATSU
1
1東北大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
乾癬
,
サイトカイン
Keyword:
乾癬
,
サイトカイン
pp.75-79
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900340
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乾癬の病変形成に,表皮細胞で産生されるサイトカインが,どのように関わっているかを,乾癬の病変部に作った水疱の内容液中および角層の抽出液中のサイトカインの量を測定し検討した.とくに,乾癬の組織の特徴的所見である,表皮の増殖および白血球の表皮内浸潤との関係に注目した.乾癬の病変部の角層中のIL−1は,正常に較べ低下しており,IL−1が乾癬の病変形成に積極的に関与しているとは考えにくい,正常および乾癬皮膚に作った吸引水疱内容液および角層抽出中には,TNFは検出されなかった.角層中のGM—CSFは,乾癬病変部で増加していた.一方,正常あるいは乾癬病変部の角層中にはG-CSFの量的差異は認められず,colony-stimulating factorの中ではGM-CSFがより重要な役割を果たしているようである.中等症以上の乾癬患者10例にTNFを全身投与したところ,3例で著効が得られ,うち1例では14カ月以上皮疹の再発がみられない.
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