Japanese
English
症例報告
水疱形成を伴ったErythema Ab lgneの1例
A Case of Erythema Ab Igne with Multiple Blister Formation
小林 孝志
1
,
杉 俊之
1
,
西川 武二
1
Takashi KOBAYASHI
1
,
Toshiyuki SUGI
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
水疱形成
,
erythema ab igne
,
赤外線
Keyword:
水疱形成
,
erythema ab igne
,
赤外線
pp.467-470
発行日 1992年5月1日
Published Date 1992/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900641
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76歳,女性.2月初旬より両側下腿前面に閉鎖性網状紫紅色斑,さらにその1カ月後よりこれに一致して多発性の緊満性水疱が出現した.生検組織所見では明らかな表皮下水疱の形成と,真皮皮下織境界部の小静脈の拡張および血管壁の肥厚を認めた.また,一部には赤血球の漏出像とヘモジデリンの沈着をも認めたが,明らかな血管炎の所見はなかった.患者は,冬の間,1日中赤外線こたつを使用しており,水疱形成を伴ったerythema ab igneと診断した.きわめて長期間にわたる温熱刺激と,患者が高齢である点,基礎に高血圧,糖尿病を有した点は本症発症から水疱形成までを促した可能性があると思われた.
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