Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1992
IV 治療のトピックス
レーザーによるアザの治療
Treatment of nevus by laser beam
冨士森 良輔
1
Ryosuke FUJIMORI
1
1冨士森形成外科医院
1Fujimori's Plastic Surgery Clinic
キーワード:
選択的光加熱分解
,
分光吸収曲線
,
皮膚深達性
,
ヘモグロビン
,
メラニン
Keyword:
選択的光加熱分解
,
分光吸収曲線
,
皮膚深達性
,
ヘモグロビン
,
メラニン
pp.134-140
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900620
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きずを残さずにアザを治したいと願うのは誰しもである.もちろん従来の切除縫縮・植皮術,電気乾固法,皮膚剥削術等における技術の進歩,機器の改良は目覚ましい.炭酸ガスレーザー,YAGレーザーも次第に普及してきた.しかしこれらレーザーも,皮膚表面を露天堀りにして患部を除去しようとする点で前記従来の方法と同質のものと言えよう.理想は標的を定めてこれを破壊し,他の組織には何ら損傷を与えない治療法で,例えば可視光線領域のレーザー光を照射してちょうど補色となる物質を燃やそうとするものである.そしてヘモグロビンに対するアルゴンレーザー,メラニンに対するルビーレーザーが出現した.しかしたとえば血管腫の治療の場合,周囲のメラニンに吸収されず,効率よく赤血球を燃やし,その余熱で微小血管の瘢痕化を期するためには絶妙のコントロールが必要であり,結局は波長の調整が可能な色素レーザーに落ち着いた.しかしメラニンに対しては,ルビーとともに色素,Q—スイッチ,アレキサンドライト等のレーザーの改良,開発が始まったところで,まだ臨床効果を比較するまでには至らない.
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