Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1992
III 新しい検査法と診断法
皮表および角層間脂質の測定法—アトピー性皮膚炎の乾燥皮膚の脂質分析を中心に
Analysis of skin surface and stratum corneum lipids in atopic xerosis
山本 綾子
1
,
冨樫 きょう子
1
,
芹澤 重男
1
,
伊藤 雅章
1
Ayako YAMAMOTO
1
,
Kyoko TOGASHI
1
,
Shigeo SERIZAWA
1
,
Masaaki ITO
1
1新潟大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
乾燥皮膚
,
セラミド1
,
オレイン酸
,
保水機能
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
乾燥皮膚
,
セラミド1
,
オレイン酸
,
保水機能
pp.117-120
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900617
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アトピー性皮膚炎(AD)患者の乾燥皮膚における脂質代謝異常の可能性を検討するために,乾燥皮膚を呈する15〜25歳のAD患者10名と14〜26歳の健常人11名を対象に,前腕伸側皮膚より皮表および角層間脂質をカップ法により採取した.抽出溶媒は比較検討の結果,ヘキサン:メタノール(2:3)が最も優れていたのでこれを用いた.採取した脂質はマイクロ天秤で重量を測定し,high-performance thin-layer chromato—graphy(HPTLC)で分析した.総脂質量および各脂質成分について比較検討した結果,AD患者ではセラミド1のみが健常人に比較して有意に減少していた.セラミド1にエステル結合する脂肪酸組成をガスクロマトグラフィーにより検討したところ,オレイン酸の有意の増加があった.この結果から,ADでは健常人と異なったセラミドの構造を有し,このため角層間の脂質多層構造が損なわれて,保水機能の低下をきたすと考えられた.
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