Japanese
English
綜説
アトピー性皮膚炎と皮表脂質
ATOPIC DERMATITIS AND SKIN SURFACE LIPIDS
松尾 聿朗
1
,
籏野 倫
1
Itsuro MATSUO
1
,
Hitoshi HATANO
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.533-537
発行日 1975年7月1日
Published Date 1975/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201451
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アトピー性皮膚炎の発症機序に関しては,アレルギー方面からの検索がさかんであるが未だ総てが明らかにされたとは言えない1).その一つの考え方として,アトピー皮膚特有の皮膚素因を主視し,これに各種の刺激が加わつて発症するとする考え方がある.すなわち増田2)は,アトピー皮膚における皮脂分泌障害,汗排泄障害による乾燥皮膚をアトピー性皮膚炎素因の一つとしてあげ,これに一次性刺激因子,接触抗原などが加わつてアトピー性皮膚炎が発症するとしている.
そこで,はたして従来より注目されている如く,アトピー皮膚において皮脂分泌障害があり,皮表脂質が量的および質的に正常対照群に比べ特異的に差があるのかどうか,差があるとすればその皮表脂質異常がアトピー性皮膚炎の素因となり得るのかどうか等につき,従来の報告に我々の知見を加えて一つの考え方を述べてみたいと思う.
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