特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991
I 最近話題の疾患
Acral granulomatous dermatosis
宮川 幸子
1
,
北岡 倫子
1
,
小松 満知子
1
,
坂本 邦樹
1
,
白井 利彦
1
Sachiko MIYAGAWA
1
,
Michiko KITAOKA
1
,
Machiko KOMATSU
1
,
Kuniki SAKAMOTO
1
,
Toshihiko SHIRAI
1
1奈良県立医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nara Medical University
キーワード:
acral granulomatous dermatosis
Keyword:
acral granulomatous dermatosis
pp.47-50
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900335
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17歳男子,38℃程度の発熱とともに,左V指末節の発赤腫脹と膿瘍を生じ,各種抗生剤や抗菌剤の投与を受けたが軽快せず,次第に他指ついで額に同様の皮疹が新生した.組織学的には真皮から皮下組織にかけての壊死性肉芽腫性変化を主所見とした.副腎皮質ホルモン剤内服療法が有効であったが,炎症消褪後,患指の著明な屈曲拘縮と萎縮がみられた.以上,臨床像は通常の細菌性・真菌性爪廓炎またはacrodermatitis continuaof Hallopeauに類似するが,それらとは臨床経過あるいは組織所見の異なる病変を,従来記載されたことのない疾患と考え,acral granulomatousdermatosisと仮称して報告した.
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