Japanese
English
症例報告
Schamberg病型薬疹の1例—免疫組織学的検討
A Case of Schamberg's Disease-Like Drug Eruption: Immunohistochemical Study
竹重 量子
1
,
伊藤 雅章
1
,
佐藤 良夫
1
Masuko TAKESHIGE
1
,
Masaaki ITO
1
,
Yoshio SATO
1
1新潟大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
キーワード:
薬剤性紫斑
,
Schamberg病
,
レセルピン
,
塩酸ヒドララジン
,
ニフェジピン
Keyword:
薬剤性紫斑
,
Schamberg病
,
レセルピン
,
塩酸ヒドララジン
,
ニフェジピン
pp.913-917
発行日 1990年8月1日
Published Date 1990/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900174
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69歳女性.降圧剤によりSchamberg病様皮疹を広範囲に生じた症例を報告した.下肢,躯幹,上肢に色素沈着を伴う紫斑が長期間持続した.病理組織学的に,真皮乳頭層および上層に赤血球の漏出と血管周囲のリンパ球浸潤が認められた.5年前より服用しているセルパシル・アプレゾリン®(レセルピンと塩酸ヒドララジンの合剤)を中止することで皮疹が軽快したが,ニフェジピンの投与により皮疹が再燃した.すべての降圧剤を中止したところ皮疹の完全な消退をみた.貼布試験,内服試験はいずれも陰性であった.蛍光抗体直接法では,免疫グロブリンや補体の沈着を認めなかった.浸潤細胞の免疫組織化学法によるリンパ球マーカーの検討では,通常のSchamberg病とほぼ同様の結果が得られた.本症例は薬剤により惹起された慢性色素性紫斑と言えるが,その病態には細胞性免疫の何らかの関与があるものと推測された.
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