Japanese
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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1990
III 治療のトピックス
皮膚漂白剤の臨床的応用とその問題点
Clinical evaluation of skin bleaching agents
濱田 稔夫
1
Toshio HAMADA
1
1大阪市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Osaka City University Medical School
キーワード:
皮膚漂白剤
,
フェノール化合物
,
ハイドロキノン
,
皮膚色素沈着症
Keyword:
皮膚漂白剤
,
フェノール化合物
,
ハイドロキノン
,
皮膚色素沈着症
pp.629-633
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900118
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皮膚漂白剤の臨床的応用は比較的少ないが,その中で代表的なハイドロキノンは,後天性皮膚色素沈着症,特に肝斑に効果的で,現在主として米国において繁用されている.普通2%程度の濃度のものが使用されるが,時に刺激症状(接触皮膚炎)を認めることがある.本臨床試験における治療効果は,2%および5%ハイドロキノンクリームを使用して1カ月位経過すると肝斑の色素斑は軽快し始め,3カ月位でかなり明瞭となる.色素沈着の改善をみた症例は肝斑では33例中21例,その他の疾患を併せて計68例中37例で,全体の改善率は54.4%であり,刺激症状は68例中8例に認められた.ハイドロキノンの誘導体であるハイドロキノンモノベンジルエーテル(MBH)の外用で白斑が発生し,難治性,広範囲の尋常性白斑の残存健常色素斑を脱色させて一色にする方法が唯一の臨床的適用となっており,MBHの成績について報告した.最近のトピックスである4-イソプロピルカテコール(4-IPC)やazelaic acidについて述べ,ビタミンA酸(tretinoin),arbutin等についても触れた.
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