Japanese
English
症例報告
線維硬化性毛包上皮腫(desmoplastic trichoepithelioma)の1例―単発性毛包上皮腫との比較検討
A case of desmoplastic trichoepithelioma:Comparison with solitary trichoepithelioma
太田 深雪
1
,
政次 朝子
1
,
樋上 敦
1
,
酒井 利恵
1
,
堀口 裕治
1
Miyuki OHTA
1
,
Asako MASATSUGU
1
,
Atsushi HINOUE
1
,
Rie SAKAI
1
,
Yuji HORIGUCHI
1
1大阪赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Osaka Red Cross Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
線維硬化性毛包上皮腫
,
単発性毛包上皮腫
,
CD34
,
エクリン汗腺
Keyword:
線維硬化性毛包上皮腫
,
単発性毛包上皮腫
,
CD34
,
エクリン汗腺
pp.490-493
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102024
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要約 65歳,男性.数年前から右下眼瞼に自覚症状のない小さな結節が生じ,徐々に増大してきた.単純切除術を行ったところ,病理組織学的には表皮囊腫構造と索状の配列を示す腫瘍の胞巣であった.一部の腫瘍巣では,腫瘍細胞は脂腺細胞のように明るい胞体をもち,また,管腔構造をもつ腫瘍巣もみられた.腫瘍巣間には成熟した膠原線維が充満し,一部ヒアリン化もみられた.線維硬化性毛包上皮腫と診断し,通常の毛包上皮腫と免疫組織化学的に比較したところ,CD34強陽性の線維芽細胞が腫瘍巣を直接取り囲むように配列していた.腫瘍巣直近の間質が陰性であった単発性毛包上皮腫とは明らかに異なっていた.この所見はエクリン汗腺に類似したものであった.
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