Japanese
English
症例報告
腫瘍性病変が疑われアプレミラストが著効した被髪頭部・爪部限局性尋常性乾癬の1例
A case of psoriasis vulgaris localized to the scalp and nail initially presented tumor-like appearance and successfully treated with apremilast
定本 真梨子
1
,
橋本 由起
1
,
田中 博子
1
,
日比野 のぞみ
2
,
石河 晃
1
Mariko SADAMOTO
1
,
Yuki HASHIMOTO
1
,
Hiroko TANAKA
1
,
Nozomi HIBINO
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座
2大森赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Omori Red Cross Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
アプレミラスト
,
尋常性乾癬
,
頭部乾癬
,
爪乾癬
,
皮角
Keyword:
アプレミラスト
,
尋常性乾癬
,
頭部乾癬
,
爪乾癬
,
皮角
pp.311-316
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206935
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要約 50歳,男性.初診3か月前より被髪頭部に皮角を呈する皮疹があり,腫瘍性病変を疑われ紹介受診した.周囲に数個の角化性紅斑があり手指爪甲の変形もみられた.頭部の皮疹より生検を行い尋常性乾癬と診断した.皮疹は被髪頭部,爪部に限局していた.外用療法や光線療法では改善せず,シクロスポリンとメトトレキサートの内服は副作用のため継続できなかった.その後アプレミラスト内服を開始したところ被髪頭部の皮疹が著明に改善し,爪甲の変形も改善傾向となった.自験例含め限局性尋常性乾癬について既報を検討すると,皮疹が限局する部位は頭部,顔面,爪甲が多く,限局する要因の1つにKöbner現象の関与が考えられた.その場合,皮疹の範囲がごく狭くても局所療法では難治の可能性がある.アプレミラストは安全性が高く,難治部に対して一定の効果も見込めることから,局所療法では難治の限局性尋常性乾癬に対する全身治療の導入として良い選択となりうると考えた.
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