Japanese
English
症例報告
肺腺癌に対してペムブロリズマブ投与中に発症したlichen planus pemphigoidesの1例
A case of lichen planus pemphigoides developed in a patient with lung adenocarcinoma treated with pembrolizumab
国峯 真也
1
,
野口 篤
1
,
細井 美都
1
,
松田 真佑香
1
,
上井 貴絵
1
,
長谷川 敏男
1
Shinya KUNIMINE
1
,
Atushi NOGUCHI
1
,
Misato HOSOI
1
,
Mayuka MATSUDA
1
,
Kie KAMII
1
,
Toshio HASEGAWA
1
1順天堂大学医学部附属静岡病院皮膚・アレルギー科
1Department of Dermatology and Allergology, Juntendo University Shizuoka Hospital, Izunokuni, Japan
キーワード:
lichen planus pemphigoides
,
PD-1阻害薬
,
扁平苔癬
,
抗BP180抗体
,
XVII型コラーゲン
Keyword:
lichen planus pemphigoides
,
PD-1阻害薬
,
扁平苔癬
,
抗BP180抗体
,
XVII型コラーゲン
pp.125-130
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206893
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 62歳,女性.肺腺癌に対してペムブロリズマブの投与開始後,扁平苔癬様皮疹と水疱,びらんを伴う浮腫性紅斑,口腔内白色線条が出現した.抗BP180抗体上昇あり,病理組織像では表皮基底層の液状変性と表皮下水疱,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgGとC3が線状に沈着しておりlichen planus pemphigoidesと診断した.ペムブロリズマブを中止しステロイド全身投与により皮疹は改善した.本症はXVII型コラーゲン関連の自己免疫性水疱性疾患であり,類天疱瘡群との鑑別が重要となる稀な疾患である.本症を誘発する薬剤としてACE阻害薬のほかPD-1阻害薬があり,ペムブロリズマブは過去に3例の報告があった.自験例は中等量のステロイド投与により寛解に至ったが,過去の報告では免疫抑制剤や血漿交換療法を要した難治例もあり,今後さらに症例を重ねて治療指針を確立する必要がある.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.