マイオピニオン
魚鱗癬と掌蹠角化症の診療と研究を通じて考えてきたこと
乃村 俊史
1
Toshifumi NOMURA
1
1筑波大学医学医療系皮膚科
pp.858-859
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206802
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1. はじめに
私は自身の専門分野を問われた際には,「遺伝性皮膚疾患」と答えるようにしている.もちろんアトピー性皮膚炎や,ここ最近だと化膿性汗腺炎なども専門分野として挙げることはできるが,どれか1つとなると,答えはやはり「遺伝性皮膚疾患」になる.しかし,そう答えた場合の相手の反応はネガティブなものも多い.例えば,「稀な病気が好きなのですね」,「遺伝子変異を見つけるだけですよね」,「治療法もないのに検査してどうするのですか」,「もう遺伝性疾患の原因遺伝子はかなり同定されているのにまだやることがあるのですか」といった具合である.本稿では,そのような「偏見」が誤りであることを,読者,特に若手皮膚科医にうまく伝わるよう私見を述べてみたい.
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