Japanese
English
症例報告
左上背部に生じたnested melanomaの1例
A case of nested melanoma on the left upper back
横山 大輔
1
,
上田 佳奈
1
,
川田 裕味子
1
,
高井 利浩
1
Daisuke YOKOYAMA
1
,
Kana UEDA
1
,
Yumiko KAWATA
1
,
Toshihiro TAKAI
1
1兵庫県立がんセンター皮膚科
1Department of Dermatology, Hyogo Cancer Center, Akashi, Japan
キーワード:
nested melanoma
,
表在拡大型黒色腫
,
小球状パターン
Keyword:
nested melanoma
,
表在拡大型黒色腫
,
小球状パターン
pp.739-744
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206773
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要約 77歳,男性.約2年前から左上背部の色素斑を自覚し,増大あるため紹介受診した.左上背部に全体として21×13mm大の範囲にやや境界不明瞭な黒褐色〜褐色の小結節が集簇していた.ダーモスコピー所見は青白色構造,多様な形状,濃淡差のある褐色〜黒褐色調の不規則な小点や小球の構造が目立っていた.部分生検時の病理組織では真皮浅層に円形〜類円形の大小の胞巣を形成し,胞巣内には核の大小不同なメラニン顆粒を有し,メラノサイト様細胞の増殖が認められた.全切除時の病理組織でも部分生検時と同様の所見であった.個別性増殖や表皮内上向性増殖は目立たず,腫瘍細胞の核の異型性は軽度〜中等度程度であった.特徴的な病理組織のパターンおよび過去の報告も検討し,nested melanomaと診断した.ダーモスコピー像や病理組織の所見が特徴的であり,この亜型の存在を認識することは診断上,重要と考える.
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