Japanese
English
症例報告
シスプラチンとドキソルビシン併用による化学療法と放射線治療の併用により陰茎を温存できた陰茎基部有棘細胞癌の1例
A case of squamous cell carcinoma of the scrotum successfully treated with concurrent radiation therapy and cisplatin and doxorubicin chemotherapy without excision of the penis
志藤 光介
1
,
浅野 雅之
1
,
沼田 透効
1
,
芳賀 貴裕
1
,
橋本 彰
1
,
藤村 卓
1
,
相場 節也
1
Kosuke SHIDO
1
,
Masayuki ASANO
1
,
Yukikazu NUMATA
1
,
Takahiro HAGA
1
,
Akira HASHIMOTO
1
,
Taku FUJIMURA
1
,
Setsuya AIBA
1
1東北大学大学院医学系研究科神経感覚器病態皮膚科学分野
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine, Sendai, Japan
キーワード:
外陰部有棘細胞癌
,
シスプラチン
,
ドキソルビシン
,
放射線治療
Keyword:
外陰部有棘細胞癌
,
シスプラチン
,
ドキソルビシン
,
放射線治療
pp.250-254
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205018
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 67歳,男性.10年前に陰囊をズボンのファスナーで挟んで生じた傷が拡大したため,当科を受診した.陰茎基部に浸潤を伴った不整形の潰瘍を認め,病理組織学的に有棘細胞癌と診断した.MRI検査で尿道海綿体への浸潤が認められ,陰茎を含めた外科的切除が予定されたが,患者の強い性器機能温存の希望があり,シスプラチンとドキソルビシン併用による化学療法に加えて,放射線治療の併用により加療した.治療により腫瘍は退縮し,画像上では腫瘍は縮小し,病理組織学的に腫瘍細胞の消失が確認された.治療中に軽度の悪心と食欲低下がみられたが,重篤な有害事象は認めなかった.陰茎基部に出現した有棘細胞癌に対して,シスプラチンとドキソルビシン併用による化学療法に加えて,放射線治療の併用は整容的見地や機能保存の観点からも高い治療効果が期待できる治療法と考えられた.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.