連載 Clinical Exercise・31
Q考えられる疾患は何か?
石川 明子
1
1帝京大学医学部附属病院皮膚科
pp.187-188
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102543
- 有料閲覧
- 文献概要
症 例 患 者:9歳,女児
主 訴:左下腿の腫瘤
家族歴・既往歴:特記すべきことなし.
現病歴:2歳頃より左下腿内側の小指頭大の皮下結節に気づいていたが,放置していたところ結節は徐々に増大した.6歳頃から圧痛を伴い,局所多汗にも気づいた.さらに同時期より表面から出血するようになり,1か月前ほどから出血が頻回になったため当科を受診した.
現 症:左大腿内側に直径32mmの主に皮下に位置する弾性硬の腫瘤が存在し,下床との可動性は良好で,圧痛を伴っていた.腫瘤の表面の皮膚には数本の発毛と小豆大までの数個の赤褐色痂皮がみられ,その周囲には米粒大までの水疱様の紅色丘疹と色素沈着が混在してみられた(図1a,b).
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.