Derm.2016
レーザー治療と治療抵抗症例
遠藤 英樹
1
1近畿大学医学部皮膚科
pp.90
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204744
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皮膚科におけるレーザー治療は年々進歩してきている.入局してからレーザー治療を専門とし,今日まで約20年間大学病院でレーザー診療に携わってきた.主に色素性疾患に対するQスイッチレーザーと血管病変に対する色素レーザーの治療を中心に行ってきた.ただ,疾患によって有効例がある反面,無効例も度々経験する.
保険適応になっている扁平母斑は,近隣の病院やクリニックから「消せるかもしれないから一度レーザーをしてみては」と勧められ,レーザー治療目的で多くの紹介を受けるが,実際に治療開始するとレーザー治療に抵抗するケースが多い.扁平母斑は「茶アザ」とも呼ばれる茶褐色の色素斑で,素人目から見てレーザーで簡単に消せそうに見えるが,満足の得られるくらいきれいに改善するのは少数である.レーザー照射後,①いったんきれいに消失するが6〜12か月で再発するケース,②炎症後色素沈着を起こし濃くなり,元の色調から薄くならないケース,③脱色素斑気味になった後,毛孔一致性に色素が出てくるケースとさまざまな結果になる.
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