Japanese
English
症例報告
両側に認められたPseudocyst of the Auricle
Bilateral Pseudocyst of the Auricle
橋爪 鈴男
1
,
森田 誠
1
,
岩田 博生
1
,
野崎 恵美子
1
,
碇 優子
1
,
千葉 紀子
1
Suzuo HASHIZUME
1
,
Makoto MORITA
1
,
Hiroo IWATA
1
,
Emiko NOZAKI
1
,
Yuko IKARI
1
,
Toshiko CHIBA
1
1聖マリアンナ医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, St. Marianna University School of Medicine
キーワード:
耳介
,
両側性
,
偽嚢腫
,
高齢
Keyword:
耳介
,
両側性
,
偽嚢腫
,
高齢
pp.1047-1051
発行日 1989年9月1日
Published Date 1989/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204212
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82歳,男性.昭和60年7月頃右耳介上半部に腫瘤出現.切開にて黄色調の排液あり.圧迫にて再発なし.昭和62年8月頃左耳介上半部に腫瘤を認めた.Pseudocyst ofthe auricleの疑いにて生検および貯留液の生化学的分析を行なった.生検時に腫瘤が軟骨内に存在することを確認した.組織学的には軟骨内面に線維性結合織があり,軟骨細胞の変性所見を認めた.貯留液の分析で,従来の報告と同様に血清と同じ成分が含まれていることが確認され,なんらかの機序により血清由来の液が貯留したと推定されたが,定量的には血清とは異なり,単なる貯留ではないと考えられた.昭和60年右耳介発症の腫瘤も臨床症状などから同様の疾患と考えられたため自験例を両側発症例とした.治療は生検後の圧迫固定にて再発を認めず,十分圧迫することで再発を防止することが可能と考えられた.生化学的ならびに文献的検討を行なった.
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