印象記
第5回日本皮膚悪性腫瘍学会総会に参加して
小林 まさ子
1
1千葉大学・皮膚科
pp.979-981
発行日 1989年8月1日
Published Date 1989/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204200
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雨あがりのすがすがしい5月の27日,日本皮膚悪性腫瘍学会が大宮ソニックシティで盛大に開催され,2日間にわたり活発な討論が行われた.明日からの治療にすぐに役立ちそうなシンポジウムの演題や,72題に及ぶ全国各施設の発表演題の載ったプログラムを手にして学会の開催を心待ちにしていた筆者は,大宮の駅前に立って,こぢんまりした町ながら近代的に美しく整えられた駅前通りの高い歩道や花壇に目を見張りつつ学会場へ駆け込んだ.
本学会は今年で5回目の総会を迎えた.昭和60年に川村太郎会長のもと,皮膚悪性腫瘍研究会として比較的小規模で発足,非常に親密な雰囲気で行われた記憶がある.第2回,金沢,第3回より日本皮膚悪性腫瘍学会総会と改め,熊本,第4回,岐阜と回を重ねるたび,会員数も増加し演題も増えて盛大な学会になった.本学会は悪性腫瘍の患者さんの治療をどうしたらさらによくすることができるか,診断から治療に至るまで日々力を尽くし,患者さんとともに心をくだいて診療にあたっている皮膚科医,形成外科医の集まりであるから,質問や討論は活発,時にsevereであっても目指すところは同じで,遠慮なく卒直な意見を出し合う.それが大変勉強になり,欠かさず出席して明日への治療に役立てたいという気持ちを駆りたててくれる.会員数の大きな学会になってもなお,初回の頃と同様のこのような雰囲気で盛り上がっていくことは大変うれしい.
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