Japanese
English
原著
足底表皮嚢腫—乳頭腫ウイルス抗原陽性2例の追加報告と自験10例の検討
Epidermal Cyst of the Sole--Report of Two New Cases with Positive Papillomavirus Antigen and a Study of Ten Cases
山田 晴義
1
,
木村 俊次
1
Haruyoshi YAMADA
1
,
Shunji KIMURA
1
1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kyosai Tachikawa Hospital
キーワード:
足底表皮嚢腫
,
好酸性封入体
,
乳頭腫ウイルス共通抗原
,
ウイルス性疣贅
Keyword:
足底表皮嚢腫
,
好酸性封入体
,
乳頭腫ウイルス共通抗原
,
ウイルス性疣贅
pp.105-109
発行日 1989年2月1日
Published Date 1989/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204038
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
乳頭腫ウイルス抗原(PVA)陽性を示した足底表皮嚢腫(ECS)の2例を追加報告し,最近2年間に当科で経験したECS10例の検討を行った.症例1:34歳,女.PAP法にて壁の細胞核の一部と内腔の空胞様構造のすべてにPVA陽性.症例2:14歳,男.内容物にのみPVA陽性.当科のECS10例中4例(40%)にPVA陽性,うち2例は嚢腫壁にも陽性.陽性例,陰性例で性差,年齢に差異はなかったが,発生部位は陽性例ではすべて利き足(右足)発生であった.また罹患期間は陽性例はすべて半年以内であったが,陰性例では7〜8年に及ぶものも存在した.また陽性例は全例圧痛を認めたのに対し,陰性例では6例中3例のみに認めた.即ち陽性例は圧痛を伴うほど急激な増大傾向を示すものと思われた.PVA陽性表皮嚢腫のかなりのものは,足底の小疣贅に小外傷が加わり真皮内に持ち込まれ形成されるものと考えた.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.