Japanese
English
原著
セルカリア皮膚炎の1例—パッチテストによる補助診断
A Case of Cercarial Dermatitis--Patch Test as a Supportive Diagnostic Tool
佐山 重敏
1
,
杉本 東
2
,
記野 秀人
3
Shigetoshi SAYAMA
1
,
Higashi SUGIMOTO
2
,
Hideto KINO
3
1浜松医科大学皮膚科学教室
2愛知県厚生農業協同組合連合会渥美病院皮膚科
3浜松医科大学寄生虫学教室
1Department of Dermatology,Hamamatsu University School of Medicine
2Division of Dermatology, Aichi Prefectural Welfare Federation of Agricultural Co-operative Association Atsumi Hospital
3Department of Parasitology, Hamamatsu University School of Medicine
pp.865-868
発行日 1988年9月1日
Published Date 1988/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203967
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73歳,男性の両下腿・両手背に発生したセルカリァ皮膚炎の1例.皮疹は孤立性・多発性の赤色丘疹で,水田での作業中水に浸していた部分のみに限局していた.皮膚炎に罹患したと思われる水田中より採取したヒメモノアラガイから新種のセルカリアが検出された.皮膚侵入試験(皮膚炎惹起試験)では陰性であったが,ストリッピングを行った後のセルカリア虫体の超音波破砕液によるパッチテストでは陽性を示し,皮膚炎とセルカリアとの因果関係が推測された.パッチテストは簡便な方法であるので,日常診療においてセルカリア皮膚炎を疑った場合の補助診断法として威力を発揮すると思われる.
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