Japanese
English
原著
鬱滞によると思われる下腿の皮下脂肪織炎の3例
Three Cases of Subcutaneous Panniculitis on the Lower Leg Due to Venous Insufficiency
黒瀬 信行
1
,
五十嵐 敦之
1
,
五十棲 健
1
,
大河内 仁志
1
,
石井 晶子
1
,
土田 哲也
1
,
関 利仁
1
,
玉置 邦彦
1
Nobuyuki KUROSE
1
,
Atsuyuki IGARASHI
1
,
Ken IOZUMI
1
,
Hitoshi OKOCHI
1
,
Akiko ISHII
1
,
Tetsuya TSUCHIDA
1
,
Yoshihito SEKI
1
,
Kunihiko TAMAKI
1
1東京大学医学部附属病院分院皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo University Branch Hospital, Faculty of Medicine, The University of Tokyo
pp.25-31
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203814
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最近我々は,長年に亘る下肢静脈瘤に伴う浮腫の経過中に,下腿の板状硬結ないし皮下結節を来した同様な臨床像,組織像を呈する3症例を経験した.これらはWeber—Christian病,Rothmann-Makai症候群,結節性紅斑,硬結性紅斑,血栓性静脈炎,ステロイド後脂肪織炎等と鑑別可能であり,木村らの報告した,"静脈鬱滞によると思われる下腿の皮下脂肪織炎"と同一の範疇に属する病態と考えた.その成因として静脈瘤に起因する循環不全による脂肪壊死が考えられた.Stasis dermatitisの臨床像を呈するものは少ないが,同様の機序が働いていることが示唆され,これらの病態をstasis panniculitisとしてまとめうる可能性があるものと思われた.
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