Japanese
English
原著
カプトプリルにより惹起された天疱瘡様皮疹の1例
A Case of Pemphigus-like Eruption Induced by Captopril
吉池 久美子
1
,
野口 信子
1
,
小川 秀興
1
Kumiko YOSHIIKE
1
,
Nobuko NOGUCHI
1
,
Hideoki OGAWA
1
1順天堂大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine
pp.953-956
発行日 1987年11月1日
Published Date 1987/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203780
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50歳男性.高血圧症の治療目的でカプトプリルを内服していた患者に天疱瘡様皮疹の発生がみられたので報告する.臨床症状は躯幹および上肢に生じた天疱瘡あるいは多形滲出性紅斑様薬疹を思わせた.病理組織学的には棘融解性の表皮内水疱が認められた.螢光抗体法直接法では病変部表皮細胞膜(間)部にIgG,C3の沈着が認められた.流血中の抗表皮細胞膜(間)抗体は陰性で,自家皮膚を用いた螢光抗体法間接法でも抗体価は10倍以下であった.本症の如きカプトプリルによる天疱瘡様皮疹の報告例は少なく,本邦で2例目であるが,本薬剤は構造上,D-penicillamineに類似した構造を有する点から今後注意が必要と思われる.
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