Japanese
English
原著
耳前瘻孔の12例
Twelve Cases of Preauricular Fistula
栗本 圭久
1
,
山田 秀和
1
,
柳原 宏四
1
,
鈴木 雅裕
1
,
荒金 兆典
1
,
手塚 正
1
Kiyohisa KURIMOTO
1
,
Hidekazu YAMADA
1
,
iroshi YANAGIHARA
1
,
Masahiro SUZUKI
1
,
Yoshinori ARAGANE
1
,
Tadashi TEZUKA
1
1近畿大学医学部皮膚科教室
1Dermatology, Kinki University School of Medicine
pp.531-535
発行日 1987年6月1日
Published Date 1987/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203701
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耳前瘻孔は胎生第5週に耳介を形成する6個の耳介結節の癒合不全により起こる疾患である.今回我々は当科を訪れた12例の本症をまとめ報告する.12例のうち男性6例,女性6例で性差は認められなかった,発現部位は両側4例,右側のみ4例,左側のみ4例であり両側性に多くみられるとはいえなかった.家系内発現は同症のみられるものが9例,みられないものが3例であり,不規則(不完全)優性遺伝説に一致していた.組織学的所見は表皮に続く瘻管で,上皮は重層扁平上波,管腔内には比較的密な角質が充満している.瘻管壁周囲には多少の炎症細胞浸潤があり,リンパ濾胞様の構造を示す例もみられた.また,瘻管周囲には毛包と脂腺が多数認められ,管腔に開口する像が散見される.しかも瘻管上部のみでなく末端部でも認められた.本症は合併奇形として副耳,両側側頸瘻,earpit-deafness症候群などが報告されている.
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